参加者インタビュー:美談さん夫婦にWHT体験してどうだった?


Interview

どちらかの観点を選ばなきゃいけないのではなく、もっと美しい世界、もっと次元上昇した意思決定に融合していく希望が見えています

美談さん

令和哲学カフェでは、テーマを深める方法でいくつかNoh先生が開発したコミュニケーションのメソッドを用いています。その中の、「WHT(Widening Heart Technology)」が見ていただけでも大変面白い!と大評判でした。そこで、今回は一期(全5回)に第1回からご参加され、WHTを初めてご夫婦で参加・体験された美談さん夫婦にインタビューしました。

RPC:まずは WHT1日目を経験してみて、どんな気づきや変化がありましたか?

美談さん:自分が思う美しさについて発表するところから会がスタートしていたので、まどか(妻)が発言した後、次は自分の番だと思っていたら、リードのNoh先生が「まどかさんが今、何を話したか言ってみてください」っていきなり聞かれたんです。実はその時、発表する内容を考えていて全く話を聞いてなかったんですよ。この質問を聞いた瞬間、「ちゃんと人の話を聞かなきゃいけない」というスイッチが一気に入ってかなり集中しました。

まどかさん:私は、久しぶりに誰かに見られている場にいることに、すごく緊張していて、会の最中は緊張で震えが止まらなくて、話もほとんど聞けてなかったんです。

RPC:そうですよね。あの場に立たないとわからない、なんとも言えない空気がありますよね。

美談さん:実際やってみて感じたことは、「人の話を聞くことがすごく難しいんだ」ということです。話を聞いているつもりで、その場の雰囲気や感覚で会話していて、曖昧なコミュニケーションをしているんだと実感しました。

RPCほんとうに!そうですよね。特に日本人は論理より「感覚」が強いから曖昧にしちゃうことも多い。

美談さん:あと、「まどかさんのコメントにツッコミの意見をお願いします」と言われて、自分が発言したときに、あとでNoh先生に「それはツッコミではなくて自分の主義主張、意見をわかってほしいってただ言っているだけだよ」と指摘されたんです。よく考えてみたら、まどかの観点を全く無視して、自分の判断基準の中だけで喋っていたことに気づきました。つまり、相手と本当の意味で出会うことなく、自分のイメージの中の相手と出会って喋ってたんだって気付いたんです。

RPC:それは相当ショックな気づきですね。

美談さん:はい。だからWHTが終わった後は、お互いの一言一句に対して向き合い方が変わりました。本当に相手を受け取って喋っているのか、独りよがりな自分勝手なイメージのまどかに対して喋ってないか、すごく慎重になりましたね。

RPC:なるほど。まどかさんは、気づいたことや変化はありましたか?

まどかさん:正直言うと、自分が言いたいことが明確にわからないまま感覚的に喋っていたことに気づきました。あとでNoh先生の客観的な解析を聞いて、自分が指摘していたポイント、言いたかったポイントを客観的に理解できて納得することができました。

RPC:直観タイプの女性に多いですね。本人以上に理解して解析してしまうNoh先生のすごさ(笑)

まどかさん:家での何気ない会話や仕事の会話でも、よく違和感として自覚があったことが、会の中でつながったことがあるんです。それが何かというと、美談さんの「わかってほしい」という観点の発信になってるっていうNoh先生のDefine(定義・規定)を聞いて、今までの会話の違和感がつながって、家への帰り道から寝るまでの間、ずっとその話をしていました。

RPC:日常のコミュニケーションの質に変化がありそうですね。

まどかさん:そうなんです。今まで相手の背景やパターンを聞くコミュニケーションはしていたんですが、WHTを通過してからは、ふとした違和感を伝えるようにするとか。イメージがズレたと思ったらすぐに確認して修正していけるようになりました。自分の観点にとらわれなくなって、観察する細かさが増した感じがします。

RPC:1日目だけでも、なんか客観性が増してすっきりいろいろ確認取れるようになったみたいですが、2日目に挑む前はどうだったか教えてください。

美談さん: 1日目が終わって気づいた自分の癖が、相手に自分の意図が伝わってないと思ったら、相手の観点を聞くより前に「受け取って欲しい」という感情が出てきてしまうんです。だから2日目は、その思いや感情はいったん置いて、まずは相手がどんな観点、意図でそう言っているのかを素直に聞こうと思いました。癖に掴まれないようにセッティングして、質問を受けた時、本当に純粋に曇りない答えをできるように意気込みをもって挑みました。

まどかさん:2日目は、WHTがどういうものが分かったので、緊張が解けてゆったりとした気持ちで挑めました。あとは「しっかり聞かなきゃ」と思えば思うほど、自分の考えにはまると思ったので、自分の観点をゼロにして、相手はどの論点から言っているのかをしっかりと聞きたいと思って参加しました。

RPC: 2日目、やってみていかがでしたか?

美談さん:本当に心をゼロにしてスッキリした気持ちで話を聞こうっていう意識でいると、2日目は人の話が入ってくるようになりました。言葉を取ろうとか、内容を覚えようとか、そういうことにとらわれないようにすると、話が聞けるようになってリラックスして楽しめました。
ただ、「自分がいかに考えを整理できてないのか、感覚的に話していたのか」ということを痛感したのも2日目だったんです。論理的に話を聞かなきゃダメだ、言葉に注意して表現しなきゃってこだわりすぎて、心で感じたことを表現したいのに、論理を意識しすぎて自分の心とズレたことを話してしまったんです。

どんな質問やツッコミを投げられたとしても、考えが論理的にDefine(定義)できていれば、一貫性持って答えられるんですが、自分の考えが一貫性なくコロコロ変わってしまい、論理が整理できていないことを痛感しました。今まで当たり前のように、話す、聞く、考えることをしてきましたが、一から基礎固めしないといけないなと思いました。

まどかさん:流されてるって気づいてたよね。人の意見にすぐ乗っかっちゃう。

美談さん:そうそう(笑)。人から否定されたり反論されたりしても、それも一理あるな、そう言われたらそうかもって、自分の考えが簡単に崩れてしまうのを感じました。何でもかんでも人に合わせてしまって、結果的に自分の考えが分からなくなってしまうことにつながるのかなとすごく実感しました。

RPC:日本人に多い一見「いい人」と錯覚されやすいやっかいなパターンですね。まどかさんは?

まどかさん:私は喋りながら色んなアイデアが出てくるタイプで、イメージがすごく浮かんでくるんだけど、浮かんだものがふっと消えてしまうことに気づきました。Noh先生にそこをしっかり拾ってDefineしていただいたので、自分が本当に何をやりたいのかがわかったんです。どんなDefineを軸にして世界や社会をどう具現化していくのか。そこから考えると、見えてくる世界がどんどん広がっていきました。「哲学を持って生きる」ことがどういうことかを学ばせてもらったのが2日目でした。

RPC:哲学は現実に使えないと言う人もいますが、実は一番現実の土台になるものですね。

美談さん:自分の主義主張に一貫性持てないのも、哲学が弱いところにつながりますね。

まどかさん:あと、夫婦の会話の中で、価値基準が違うから平行線をたどるっていうのはすごくあるんですよね。お互いの違いを理解できることで尊重はできても、その先どう突破していったらいいのかが見えなかったんです。そこに相手を説得する道として、0になって相手の感情になって相手の論理だけを使って「論破する」コミュニケーションは、人生でやったことがなかった。しかも論破した先に新しい出会いがあるんだっていうのが衝撃的でした。

美談さん:そうそう。今までも5.6回、大きい喧嘩をして、大分お互いに対して理解ができるようになったんですが、相手の深い部分の観点を理解できたところでまだ止まってたんですよ。

RPC:さらに深い世界で出会えそうだと?

美談さん:そう。理解だけでなく、平行線の観点と観点を融合してもっといいものになっていく道。どちらかの観点を選ばなきゃいけないのではなく、もっと美しい世界、もっと次元上昇した意思決定に融合していく希望が見えています。

まどかさん:今までの喧嘩は、そもそも何が論点なのかわかってなかった。「この論点につかまれてた」とか「この論点から自分が喋ってるんだ」というポイントが明確になればなるほど、相手の論点をつかむことができて、「論破」から「合意」にどんどん融合が生まれていくと思います。WHTを活用して、新しい未来を一緒に築いていけると思います。

美談さん:これから共同体の時代になっていくから、1人1人みんなの観点が宝になって、ぶつかりながら良いものを作っていく。1つの生命体としての意思決定、融合、創造ができていくんだと思います。こんなふうに精神細胞、共同体5人組ができていくんだなとWHTで感じさせてもらいました。

RPC:最後に「2人にとってWHTとは何か」と聞かれたら何と答えますか?

まどかさん:WHTとは、心の筋力トレーニングだと思います。自分自身の幅が広がる、生き方トレーニング。場がセッティングされていて、真剣に取り組むからこそ、見えてくる自分と相手というものがあって、真剣な出会い、本気の出会い、本物の出会いが何かを学ばせてもらってると思います。

美談さん:私もトレーニングって出てきました。観点と観点の融合、コミュニケーションのトレーニング、意思決定のトレーニング・・・心路を築くトレーニング。

RPC:心の筋トレ、流行りそうですね(笑)たった2日間で、ここまで気づいて日常の変化を実感している2人の今後がさらに楽しみです。令和哲学カフェでのWHTは5回コースなので、またお話聞かせてください。今日はありがとうございました。

インタビュー:松岡千春/ 編集:みっくる、泊由美子

今回お話をきかせていただいたのは?

美談年民(みだんとしみ)さん、まどかさんご夫婦プロフィール
島根県出身のご主人と、神奈川県出身の奥様。
nTechを通して出会い、今年夫婦生活3年目。
夫婦として、共通のVISIONに向かう同志として、新しい21世紀型のパートナーシップモデルを目指し、毎日楽しく活動中。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。