世界の哲学者紹介:ロバート・ブランダム
今回の哲学者
アメリカ ピッツバーグ大学教授
イェール大学で学士号を取得したのち、プリンストン大学にてリチャード・ローティとデイヴィド・ルイスの指導のもと博士号を取得。
ロバート・ブランダムの思想哲学
主に取り組んでいるテーマは言語哲学、心の哲学、論理学の哲学。
これらの領域に対して体系的かつ歴史的な関心をもっています。
ロバート・ブランダムの活動や影響
「言葉の意味は推論で果たす役割で決まる」という推論主義を提唱。
カントやヘーゲルをプラグマティズムに取り込む斬新な解釈、その応用可能性などによって、言語哲学のみならず、ドイツ観念論、社会学、法学などさまざまな分野の研究者から大きな注目を集めています。
<プラグマティズムの歴史背景>
「プラグマティズム」とは、物事の真理を「理論や信念からではなく、行動の結果によって判断しよう」という思想です。日本語では、「実用主義」「実際主義」「行為主義」などと訳されています。
この概念が誕生したのは1870年代のアメリカで、その背景には、南北戦争やダーウィンの進化論があります。南北戦争では、奴隷制に賛成する南部と反対する北部の争いがあり、ダーウィンの進化論を巡っては、神が天地創造したと考える人と、科学的な解釈をする人との間での論争がみられ、対立が深まった時代でした。このような異なる理論や信念による対立からの前進を目指して、プラグマティズムは生まれました。
アメリカは、もともと移民が多く歴史の浅い多民族国家で、土地に根ざした共通する価値観が強くありません。そんな特色により、お互いが共存していくためにも重要な思想としてプラグマティズムは発展していきました。
記者がみる!令和哲学とつながるポイント
ブランダムはアメリカで発展したプラグマティズムの伝統を引き継ぐ哲学者として知られています。宗教(神)vs科学の限界を超えていく点が令和哲学とつながると感じました。
日本においても、専門書が和訳されており、プランダムについての研究者ファンが多いため、哲学に関心の高い人との出会いが期待できます。
日本でも推論主義序説 (現代哲学への招待 Great Works)が2016年に日本でも出版されたことにより、一般にも知られるようになっています。この記事のライター
服部 綾子(Hattori Ayako)
NR AMERICA / Director
顧客満足・女性の消費者行動に興味を持ち、高校卒業後渡米。
米国大学にてマーケティングを専攻し、卒業後大手外資系消費財メーカーに入社。CRM(顧客関係構築)の分野で化粧品・日用品の販売促進や海外戦略に携わる。越境ECビジネスや貿易に携わる中で、多岐に渡るグローバルプロジェクトリーダーを経験するも、チームプレイを構築できない“判断基準・資本主義の限界”を感じ続ける。
その後、「nTech(認識技術)」と出会い、個人と組織が融合できる新しい組織構築モデル「トーラス組織」を実践しエリアマネージャーとして100人規模の組織の責任者を務める。 現在、サンフランシスコを起点に認識技術の北米展開に着手し、経営者やリーダーと新たな教育・経済のビジョン共有ができるプラットホームを構築。また、ハーバード大学教育心理学教授とともにDignity Educationを推進中。
ビジネス力・現実力を兼ね備えた、心のプロフェッショナルとして精力的に活動し、個人にとどまらず企業に至るまで幅広い問題解決コンサルタントとして活躍。
参考記事
https://ja.wikipedia.org/wiki/ロバート・ブランダム
http://www.gaccoh.jp/?page_id=10891
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