【第83回9月21日分】「特異点」ディスカバリー部門 エントリー


令和哲学
AWARD

特異点ディスカバリー部門

Hatsumi Katase

片瀬 初美 さん

今日の特異点

9月21日 第83回令和哲学カフェ

「ヘーゲルと令和哲学」2回目は
「人間はこの時代にどんな自由を得たいのか」
がテーマでした。

「自由」と聞くとみなさんは何を思い浮かべますか?

何か「束縛」から「解き放たれる自由」をイメージする人が多いのではないでしょうか。

わたしは、この日の令和哲学カフェで「自由」について新しい概念を知ることができて、未来により希望を感じることができました。

人類はこれまでどんな「自由」を求めてきたのでしょうか。

少し時代を遡って振り返ってみたいと思います。

西洋では、ピラミッドの頂点の王が民を支配する絶対王政である「全体主義」の時代から、フランス革命などを経て「個人の自由」の時代を獲得しました。

自分の住む場所、働く場所、様々なことを自分の意志で決めることができるようになりました。

まさに「束縛からの自由」です!

そして産業が生まれ、誰もが自分の富を得て蓄積できるようになる「資本主義」が世界の主流となりました。

ここ日本でも1960年代の高度経済成長期には、メイド イン ジャパンが世界を席巻、様々な便利な製品が世にあふれ、生活は格段に豊かになりました。

物欲が満たされた時代。

けれどバブル崩壊、リーマンショック、日本は一気に不景気な時代に突入。
バブル期には国民は自分たちのことを「中流」だと思っていたのに、それが今では「貧困」な家庭が増加。

そして今年、Covid-19により、状況は更に悪化しました。

企業倒産、解雇、経済の不安、信頼喪失、人間関係崩壊、健康不安、心の不安、将来を絶望、生きることへの恐怖

今は、この「不安恐怖」から自由になりたいと思っても仕方のないことではないでしょうか。

ですが、大丈夫です。
ここからが本題です(笑)

今回のカントとヘーゲルの「自由」に対する比較をすると、カントは「個人規模の自由」を強調しました。

それに対してヘーゲルは、「共同体レベルでの自由」の大切さを唱えたのです。

このヘーゲルの「共同体レベルの自由」がこれからの時代に求められているものであり、まさに令和哲学カフェが謂わんとしていることです。

既存の、何かから解き放たれる「束縛」からの「自由」ではなく、「未来を選択」し、「創造できる自由」へと。

それを「個人」で具現化するのではなく、「共同体」で実現させていくのです。

「共同体」を「コミュニティ」と表現すると、よりイメージしやすいのではないでしょうか。

ヘーゲルは精神が、「主観的精神」から「客観的精神」、そして「絶対的精神」へ発展する段階を踏むと考えていました。

個人の「主観的精神」から、「絶対的精神」へ、「コミュニティ」にはそれが不可欠です。

「絶対的精神」は、令和哲学カフェでいえば、「瓶鳥」の外、ひとつの動きです。

「共同体」「コミュニティ」と聞くと、個が全体に潰されて活かされない組織のイメージが来て、抵抗感が出る人もいらっしゃるかもしれません。

そのような既存の「コミュニティ」ではなく、ひとつの動き、1を土台にした、「尊厳関係」で成り立つ、今まで見たこともない全く新しい「コミュニティ」であれば。

創ってみたいと思いませんか?

「個人主義」「主観的精神」の時代は終わりました。

これからの人類未踏のポストコロナ時代は、「束縛」や、「不安恐怖からの自由」を求めるのではなく、「コミュニティ」により、「愛と尊厳溢れる未来」を「選択」し「創造する自由」へと上昇していくのです。

その一歩が令和哲学カフェから始まっていくのだと思うとワクワクしてきます。

明日も楽しみです。

令和哲学アワードの詳細はこちらより

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