【第53回8月10日分】「特異点」ディスカバリー部門 エントリー


令和哲学
AWARD

特異点ディスカバリー部門

Iwanaga Eriko

岩永 絵里子さん

今日の特異点

8月10日の「ニーチェと哲学・観点」シリーズは、哲学が現代の生き方につながって理解でき、とても印象に残った回でした。

ニーチェの有名な著書、『ツァラトゥストラかく語りき』はニーチェ思想の集大成と言われ、ニーチェ自身も「わたしはこの本で人類への最大の贈り物をした」と自信をもって世に送り出した本であると言われています。
しかし、この本が出た当時は、ニーチェ自身が「自分は生まれた時代が早すぎた」というほど、世の中から理解されない斬新な内容だったそうです。
その本に書かれ一番難しい思想と言われている「永劫回帰」が今回のキーワードにつながる内容でした。

「人間一人ひとりは汚い川の水である。その汚い川の水と出会っても、汚い水にならないためにはどうすれば良いのか?」という問いに対して、それは「海になること」だとニーチェは言っています。

今回は「海の人間になることはどういうことなのか?」がテーマであり、WHTを通して一番重要なキーワードを、一緒に考えていきました。

WHTでは、出演者の5人がそれぞれキーワードを出し、その5つのキーワードをニーチェ思想に近い順に整理していきました。
5人の出したキーワードはどれも素晴らしく、下記のような単語に整理されました。

「第一原因」「生命の根源」「全てを飲み込む器」「IDの結集と融合」「完全循環」

どれも素晴らしいキーワードだと思いましたが、Noh先生曰くニーチェ思想は、原因を嫌う思想だということです。
「神は死んだ」という有名なフレーズがありますが、ニーチェ哲学は当時の神という概念=原因を一切否定し、「今ここ」がスタートであることが一番強い哲学であるということです。
そのことから「今ここ」に近いキーワードが「完全循環」でした。

海は雲を発生させ、きれいな水を山に雨となって降らせ、山から流れてきた水は川として流れ、また海に戻ります。

そのイメージとつながり、「川の水=汚いこと」を怖がらず、否定せずに、大自由な心で全て肯定し、どんどん出会いを楽しんでいくこと。それが完全循環=海の人間です。

「永劫回帰」とは、令和哲学では、「今ここ完全循環の生き方をする」=海の人間になることです。

「今ここ完全循環の生き方」は、侍の悟りと近い境地だと思いました。
それは現実と離れた頭だけの哲学ではなく、哲学を実践し現実と向き合うことです。
どんな汚い川の水、つまりどんなに悲惨で残酷な条件状況でも、それを大自由な心で受け止めて楽しんで運命を切り開いていくことであり、それは令和哲学では脳に勝利する心の世界で生きることになります。

AI時代・ポストコロナ時代において、人類は今までにない厳しい条件状況に置かれています。
そんな運命を受け入れて愛して未来を切り開いていくこと、「今ここ完全循環の生き方」が必要になっています。

今回、難解だと言われているニーチェ思想の「永劫回帰」をNoh先生が令和哲学を通して解析することで、ニーチェ思想がこの時代に生き生きと蘇り、令和哲学によって人々が理解でき実践できる哲学として生まれ変わったような気がしました。

本当の哲学は、乱世において光り輝き人間の生きる道しるべになることを強く感じ、今の時代において哲学が必要不可欠であること、日本から生まれた令和哲学が現代に生きる人間にとって北極星になると希望を感じました。

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