【第125回11月24日分】「特異点」ディスカバリー部門 エントリー


令和哲学
AWARD

特異点ディスカバリー部門

Iwanaga Eriko

岩永 絵里子さん

今日の特異点

11月24日『ツァラトゥストラ』×哲学討論の2日目が開催され、哲学を実践することの意味価値を深く感じる回でした。

最初にファシリテーターの長岡さんからニーチェについての説明があり、ニーチェが展開している世界観であるディオニュソス的世界観とソクラテス主義的世界観の話がありました。

ニーチェは元々哲学者の前は古代ギリシャ神話を読み解いていく古典文献学の教授であったと言われています。
ギリシャ神話からきているディオニュソス的世界観は直感世界であり心の世界であり今ここに全てがある世界。ソクラテス主義的世界観は全て論理であり因果の世界で過去と未来と時間が存在する世界です。
ニーチェは、人間はソクラテス主義的(因果)に支配され、常に神の目に見張られている状態で小さい存在であると言っています。そしてディオニュソス的世界観を通して、神の目は存在しない、神は幻想であり、神は死んだと語ったのです。

今回はその内容も踏まえて、『ツァラトゥストラかく語りき』に書かれている、人間の精神の3つの変化、『駱駝(ラクダ)』『獅子』『幼児(超人)』の内容を題材にし、「強い人、弱い人」についての哲学討論が行われました。
『駱駝(ラクダ)』とは既存の意味価値を背負う人間、『獅子』とは既存の意味価値を破壊し、新たな意味価値の創造の自由を獲得できる人間、『幼児(超人)』とは新たな価値を創造する人間です。

「75億人は誰もが強くなりたいと希望しているが世の中は弱者と強者に分かれている。弱者が強者になれるなれないの違いは何か。そして弱者が強者になるためにはどのようにしたらよいか。」というテーマについて、長岡さんと出演者の5名が熱い討論をしながら一緒に考えていきました。

討論を通して、それぞれの出演者がニーチェに負けないそれぞれの哲学を持ちながら語り合い、場を通してたくさんの気づきが生み出されていて感動しました。

長岡さんはまとめの中で、弱者が強者になるためには、人間個人の成長も必要だが、場の成長、文明という成長が必要であり、ニーチェの時代は期が熟していなかったが、今は時代の後押しもあり皆で超人になっていくことが可能であると語っていました。
そして、人間は親、倫理道徳、世の中のルールや固定概念など様々なものに縛られている存在であり、弱者が強者になるためには、人間が自身を見張っている目をよく観察すること。
そして「自分を支配しているものがなかったんだ!」とそこに至ることによって弱者が強者になれると長岡さんの熱く語る姿にこちらも胸が熱くなりました。

ニーチェは100年以上前にビン鳥の外に気づき「神は死んだ」と宣言し『幼児(超人)』としての在り方を定言しました。
しかし現代も宗教の神の概念とそこから生まれる規定、紛争の世界もいまだ根強い現状です。

「人間と人間の宇宙は実在しない」ということが明々白々に証明される教育革命によって、神という概念を生み出す大前提が覆されます。
nTech (認識技術)により、超人が続々と誕生していくことで世界は変わっていく、そんな希望を感じました。

今回の長岡さんのニーチェ解析により、今の時代に生きる私たちがニーチェの意思を引き継ぎ、皆が超人になれる時代のタイミングであることに改めて気付かされました。

哲学という材料があるだけでは何も役には立たない。本当の哲学はその材料から自分の思想を生み出し、実行することが大切である。と最初に長岡さんが話していた言葉の意味を、出演者の討論を通して、哲学を実践をすることがどのようなことなのかを学ぶことができました。

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