第73回 9/7 ウィトゲンシュタインと言語(2) 開催レポート


第73回令和哲学カフェ
ウィトゲンシュタインと言語(2)

2020年9月7日(金)21:00~22:30

開催レポート

第73回令和哲学カフェは251名の方々にご参加いただきました。ありがとうございました。

今、令和哲学カフェではカント、ニーチェ、ドゥルーズ、これからフロイトを理解する流れの中で、今回は「ウィトゲンシュタインと言語」の2回目です。

哲学のパラダイムを大きく転換させた2人のうち、1人はカントです。

カントは、真理の基準が客観から主観に移動して人間ひとりひとりがみんな主人公として生きることができる、その道を明確に開いてくれました。まさしくパラダイム大転換ですね。

人間が神に支配されず、人間の主体性・自発性・能動性をもつようにさせたことは素晴らしい貢献です。 

そして今回のウィトゲンシュタインが、もう一つのパラダイムシフトを起こした人です。

それまでの哲学では人間は考えてばかりでしたが、

ウィトゲンシュタインは、自分が何を使って考えるのか? 考えの道具は「言語」であり、その「言語」を無視したままで考えばかりやっているからおかしい、哲学の問題は実は「言語」の使い方にあるんだと、彼は20代で哲学のすべての問題を解決したと宣言してしまいました。

違う言葉で表現すれば「もう哲学はいらないよ。私が全部問題解決したからね。」

そんなことを宣言した人で、天才哲学者と言われています。

実際に彼の生きていた時のメモなど全てが、人類にとって普遍的価値があるからとユネスコ記憶遺産として保存され宝のように守られる状態になっています。

令和哲学者Noh先生から、このようなウィトゲンシュタインの紹介があった後、

全体に投げられたテーマは「言語の究極の用途機能とは何か?」です。

ウィトゲンシュタインは言語をつかって哲学を完成させ、哲学のすべての問題は解決したから、もう哲学はいらない!くらいの宣言をした人です。

いったい言語とは何なのか。どうしてウィトゲンシュタインは言語を分析することを通して、すべての哲学の問題を解決したと言い切れたのか。

「言語の用途機能」

皆さんもウィトゲンンシュタインのように哲学のすべての問題を解決した!!と宣言してみて下さい。

言語の究極の用途機能とは何か、究極的にシンプルにこれ!!と1個で表現しましょう!ウィトゲンシュタインになりましょう!

Zoom参加者全員でのブレイクアウトセッションの後のWHT(集団コミュニケーション訓練ワーク)は、登壇者5人から「言語の究極の用途機能とは」の発表からスタートです。

・(違いを共有して)世界75憶人が喜ぶものを生み出すため

・コミュニケーションに革命をおこすもの

・イメージを共有し一致させるもの

・基準軸

・五感で認識できる外を表現する

このような、それぞれの主義主張です。

そしてさらに、なぜその主義主張なのか(Why)について発表してから、WHT本番の論破に入りました。

「論破したい相手いる人! 論破したくない? 平和ぼけですね。」

日本人の誰もが苦手とする論破、なかなか登壇者5人が自ら手があがらないところNoh先生からの指名で発言がはじまり、論破したりVISION同盟したりを楽しんでいきました。このようにチャレンジしてみる経験から、論破することの様々なメリットを実感し、感動と共にイメージが大転換していきます。

次は融合のフリーディスカッションです。5階の建物のイメージで各々の主義主張を整理していくチームビルディングトレーニングを通して、ウィトゲンシュタインのように哲学のすべての問題を解決したと言えるのかにチャレンジしました。 

ここではNoh先生の融合をご紹介します。

色々な観点でできるから正解はない。違いの共有が1階、違いは言語で表現できる世界と表現できない世界がある。ビン鳥の中と外は明確に違う。ビン鳥の外は言語では表現不可能な世界。ビン鳥の中の言語で表現可能な世界でも、さらに観点・判断基準によって違いがうまれてくる。この事実をわからないままコミュニケーションをとればとるほど、ビン鳥の中と外がミックスされて問題が生まれているとウィトゲンシュタインが怒った。

絵で描くことできるのか?! 絵で書けるものでなければしゃべるなって。そもそも言語の枠に入れることができないことを言語で表現してしまい、言語で表現できることとミックスしてしゃべるから訳がわからなくなる。ビン鳥の中は言語で表現できる世界で、数学・物理学・科学。外の表現できない世界は宗教・倫理道徳。

2階は五感で認識できる外を表現すること。ビン鳥の中の言語は普段人間が使っているもので、その言語ですべてを表現しようとやり切った結果、正しく知っていることは1つもないことを気づくこと。5感の認識の外の世界を「間」で表現したり美学的な沈黙の表現などあるが、ビンの外と中をつなげてイコールにすることができる人と人とのコミュニケーションや暗黙的な基準軸(3階)・ルールがあれば、それにそった共通のビジョンやイメージ共有(4階)ができ、win-win,all-winができる。つまり言語を超越したビジョン同盟を組むことができてコミュニティもできる。そこからコミュニケーション革命がおきて(5階)、観点から自由になってなんでも楽しくなる。私はそんな形で整理してみました。

Q&Aコーナーの質問に対するNoh先生の回答の中では、ウィトゲンシュタインがいかに天才ぶりを発揮していたのか、エピソードを教えてくれました。

私が観た感じでは、彼は明確にビン鳥の中と外を明確にわかっている人。そうじゃないと、自分の口から哲学の問題はすべて解決したって言えない。勉強してみればわかるが哲学は深いし広いし、そんなことを全部解決したって言いきっている。

彼がやっていることを全部見ても、天才ですね。戦争中に、空爆する時に敵がどこだって伝えることで空爆できるでしょ。そんな一番危ないところにいたんだよ、ウィトゲンシュタインが。ニーチェが一番危ない人生を過ごせって言ったからかどうかわからないけど、敵にものすごくターゲットされるところ。桁外れのお金持ちだから軍隊行かないって言えば行かなくていい。そんな人が戦争の中でも一番危ないところにいて、皆逃げても逃げずに、そこで彼の哲学の本を書いたんだよ。言葉で表現できることは沈黙しろと。あの本がそれで出ている状態だから天才じゃないとできないことだろう。スイッチが入った状態だと思います。だから明確にビン鳥の中と外をわかった人だと思いますね。

このわずか1時間半で、ウィトゲンシュタインの本来なら理解がむずかしい歴史的偉業と天才ぶりをわかりやすく伝え、そして5人の登壇者へ哲学を実践するコミュニケーション訓練ワークを提供し、さらに視聴者からのたくさんの質問に次々に応えてしまう令和哲学者Noh先生、圧巻でした。

参加者の感想

「道」を「道」と表現したら「道」でなくなる、確かに表現した途端に、動きが制約されたCloseな狭義的な感覚を伴うように感じます。言語とは、音であり表記であり形であり表現であると考えてみた時に、言語の究極の用途機能とは、人間が生み出した思考の中枢であるように思いました。人間は一本の葦にすぎず自然のなかで最も弱いものである。 だがそれは考える葦roseau pensantである。それは、言語あってこその人間ではないでしょうか。本日もありがとうございました。(日々木弓絃さん)

Q&Aで気付いた事、感じた事 ついつい脳に捉われて、着火点に行けずに過ごしてしまいがちですが、人間こんなもんじゃない!を基準軸に、爆破し続ける人生を選択したい!!と思いました。(サトシさん)

ヴィトゲンシュタインかっこいいですね!これは天才じゃないとできないこと!と解析してしまうNoh先生もすごいと思いました!また、質疑応答での相手に勝つとかはレベルが低い事。人生はゲームチェンジすることだという回答にもスケールの違いを感じました。言語の用途機能、自分でも考えてみましたがすごい奥深い!いつも使っている言語だけど、何も考えずに使っているなと思いました。本当は尊いものだと感じました。ありがとうございました!(たんぽぽさん)     

有り難うございました! ヴィトゲンシュタインは知らない哲学者でしたが、楽しく聴くことができました。 言語の限界を知り、瓶鳥の外からのコミュニケーションとれならなと感じました(まっきーさん)


たくさんのご感想をお寄せ頂き
ありがとうございました。

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またのご参加をお待ちしております。

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