【第199回3月22日分】「特異点」ディスカバリー部門 エントリー


令和哲学
AWARD

特異点ディスカバリー部門

Inagaki Miwa  

稲垣 美和さん

今日の特異点

本日から始まった、テーマ「差別と偏見を超える~「障害」が教えてくれる人間の可能性と人生の価値~」シリーズ。

ファシリテーターは令和クリエイターとして活動をしている川口泰輝さんです。

自身が未熟児として3ヶ月早く生まれ、発達障害の当事者でもある川口さん。

優しい雰囲気で穏やかで思いやりのある言葉とともに会が進行されます。春うららかな空気を画面越しからも感じるなか、冒頭から心を掴まれました。

最初に紹介されたのはお母様の手記。川口さんが小学校に入学するときに新聞の投書欄に投稿されたものです。

650gの超未熟児として生まれた息子が無事に小学校に入学できることが、夢のようであり、この子を存在させ、ここまで成長させてくれているあらゆるもののことを想う時、感謝で胸がいっぱいになる、という内容でした。

どんな人であっても存在している背景があり、すべてはつながって今ここに存在している。その奇跡をご自身の経験をもって実感されたお母様を想い、そして小さな川口さんとともに歩く光景が目に浮かび、私は自然と涙が溢れていました。

本日のテーマは「障害ってなに?」です。

「メガネ」の例えも使いながら、どこからが障害でどこからが健常者なのかの境界線はよくわかっていないことから、川口さんより、障害は個人の問題だけではなく社会が作っているバリアから生まれる。不寛容な社会を変えていく「障害の社会モデル」が必要とされているとのお話がありました。

みんなで深める題材として登場したのは絵本「ひまわり」。
作者の羽原裕輔さんは小学校教員であり、今回ご好意で出版を目指されている「ひまわり」「人間本会議」の2作を令和哲学カフェでご紹介できることとなりました。

本当に考えさせられる内容でした。

「ひまわり」とは特別支援学級のこと。小学生の主人公が”ひまわり”の同級生をいいなぁずるいと感じながらも自分が”ひまわり”と思われるのは嫌だという気持ちの葛藤が描かれます。そして最後は自分が”ひまわり”になることが決まったシーンの複雑な表情でお話が終わります。

私は、出演者の皆さんのディスカッションを聞きながら、人間がもつ決めつけの残酷さを考えていました。

そもそも異質なものを自分とは違うと境界線をひくことは人間が持つ機能です。でもそれを社会的なレッテル、全体の総意として決めつけることによって、存在の可能性まで決めつけられてしまう。お互いに決めつけあって結局苦しい思いをして、自由さが失われてしまう。まさに今の社会モデルがこの現在地だから、人間の可能性が花開けないんだと悔しい思いです。

会の終盤に作者の羽原さんが特別出演されました。
学校や社会が作っているルール。子供たちがそれらに翻弄されていることに作っている大人が気づかないと、その子たちが同じような場を再生産してしまうことを思いながら作ったとのお話がありました。

最後に川口さんより、決めつけは自分にとっても相手にとっても尊厳が傷つけられるものであり、幸せは自分で決められると確信を持てたのが、令和哲学との出会いだというメッセージがありました。

一人一人の尊厳が守られている状態とはまさに、川口さんのお母様の仰る「存在させ、ここまで成長させてくれているあらゆるもののことを想う時、感謝で胸がいっぱいになる」境地なのではないかと私は思うのです。

令和哲学カフェに集う皆さんとともに深め、新しい尊厳あふれる社会モデルをつくっていきたいと強く想う会となりました。

令和哲学アワードの詳細はこちらより

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。