第95回 10/8 ドゥルーズと令和哲学(4) 開催レポート


第95回令和哲学カフェ
ドゥルーズと令和哲学(4)

2020年10月8日(水)21:00~22:30

開催レポート

10月8日令和哲学カフェの開催報告です。

ドゥルーズと令和哲学の4回目、身近な悩みや質問を題材にしたWHT(集団コミュニケーションワーク)を通してドゥルーズを理解する日です。

何が身近な悩みですか?

令和哲学者Noh先生が周りの人に質問したところ「人の話しが入ってこない」という声があり、それがテーマとなりました。

人の話しを聞くことができない状態は、何が欠乏しているからでしょうか。鉄分が欠乏すれば貧血ですが、何が欠乏したら人の話しが入らないのか、聞けないのか。

現代人は相手の話しが入ってこない、新聞よんでも本を読んでも何が書いてあるか入ってこない人はたくさんいますね。じゃあ、何が現代人に欠乏しているのか。このテーマで、まずzoom視聴者全員のブレークアウトセッションがありました。

次は哲学とWHT(集団コミュニケーションワーク)を両方ミックスしたスタイルの進行です。令和哲学者Noh先生のリードのもと、さっそくテーマに対する登壇者5人からの主義主張から、論破とビジョン同盟の討論トレーニングになりました。

現代人に何が欠乏しているかについての登壇者5人の主義主張は以下です。

・今ここの絶対的な安心感

・自分中心で考えすぎて相手がいることを見失っている

・ゼロ化・自分を滅すること、観点の移動

・自己アイデンティティ・自分の存在感

・自分と対象性の関係性

論破する中で出てきた論点のひとつをご紹介します。

なんで自分と自分じゃない世界、他者が生まれるのか?それが生まれる仕組みは何か?なんで生まれたのか、その関係がわかれば、人の話しが聞けるのではないか?自己中心で自分しかない、それはつまり全部自分、ひとつだという意味。だから他が入ってこないのは当然、自分しかないのに他を知らないのは当たり前だ。それなのに、体で見たら私じゃないAさんもBさんもCさんも生まれたぞ。その仕組みと関係性はなんだろう?

自分という意識(自分が思う自分)もあるけど、他者によってつくられた自分もある。周りの人が、あなたはバカだ!バカだ!って言ったら、私はバカなのかって、他者によって自分のアイデンティティーが決定されてしまうこともあるし、自分によって自分のアイデンティティーを決定する世界もあります。

自分じゃない世界として相手のことをみたら、どうして自分とわかれる境界線が生まれてしまうのか、その関係性を理解する。それが理解できたら、自分じゃない人の話しも聞けるようになるんじゃないか。というお話しでした。

令和哲学者Noh先生はWHTの内容とつなげてドゥルーズの世界を、こう語ります。

ドゥルーズ哲学は違いの哲学ですね。共通なものは一つもない。私たちは何かが反復すると聞けば、同じことを反復するイメージがあるが、ドゥルーズ哲学は違いの反復、同じことは一つもない。宇宙空間の中で138億年をぜんぶ取り入れても同じものは一つもない、違いの哲学ってドゥルーズは言ってますね。

これは令和哲学をつかうととても理解しやすいのですが、ドゥルーズが言う「強度」ですね。昨日の令和哲学カフェでも生命の強度、強さって言ったのですが、それは心です。ビン鳥の中も外も心がどのくらい強く思うか。令和哲学を知っている方はわかりやすいですが、知らなくていいんだー!脳に負けるもんかー!の世界です。脳は違いを通して、統一性をつくるから。そして、思い込めばいーんだー!の世界があるでしょ。それがどのくらい強いのか、その強度ですね。強さがみんな違う。違いの基本単位を強度で表現していますね。それがドゥルーズ哲学です。

だから皆さんが自分の人生をアートで愛すること、ニーチェが言ったアモールファティ(運命を愛せよ)。みんな違うんだから、無意味の人生だから、自分に意味をつけるのは自分がやる仕事ですね。それがÜbermensch(超人)、ドゥルーズはノマドって言っていますね、固定されるなって。常に今を超えていく。ニーチェのÜbermenschの世界ですね。

Q&Aコーナーから2つをご紹介します。

Q:なぜ、令和哲学カフェを4年間も、しかも無料でやろうと思ったんですか?

A:4年間ずっと無料ではないですよ。1期生に無料。4年間無料にすればどうなるか、考えます。ベースはそうです。哲学自体を日本に習慣化して、2019、2020、2021、2022、2023年と。令和1,2,3,4,5年で日本が心の国にならないと人類に未来はないと思っているのが令和哲学者Nohさんの心だから、とにかく日本が心をマスターした国としてモデルになってもらわないと、という意志があるからです

Q:相手に裏切られるんじゃないかと思って、ついつい相手の言葉に集中できません。相手の話しが入ってきません。どうしたらいいですか?

A:相手が裏切ると、本人がその形で不信して意味づけする、そのクセになっていれば入らないのは当然ですよね。だから本人がそのことを選択している状態をわかることですよね。意味づけ価値づけの習慣自体が、基本的に人間みんな不信だらけですよ。ゼロ化が絶対条件なの。不信するのが強いか弱いかの違いで、クセが強い人は何やっても不信なの。特に現代人はスマートフォンでどんどん情報知識得るでしょ。もう不信しかないの。不信ばっかり蓄積するの。信頼よりは不信を蓄積していく。もうそんな時代になっちゃいましたよ。だから孤独がどんどんひどくなってくる。それね、脳のウイルスにやられてることだから。体が自分って思ってれば、もう必死だよ。不信して自分を守るために。可哀そうな人生になっちゃうの。だから、ぜーんぶ溶けて、ビン鳥の外に出て、それで自信もつことなの。ニーチェが言ったように、海になって汚い川の水おいでって、自信感もって、人間がなんなのか、人間の口からでる言葉はぜんぶ見えちゃうの、すべて。騙されてもいいじゃないですか。そこから学べるんだから。なんにもやらないよりは、やるのがいい。

今回も、内容が盛りだくさんの1時間半。身近な疑問からのコミュニケーションワークを通してドゥルーズの違いの哲学をひも解いていきました。本で読んでも大学で講義を聞いても難しそうな哲学の世界を皆で楽しく共有できる令和哲学カフェ、これからもお楽しみに!

参加者の感想

今日のテーマ「なぜ人の話が聞けないのか」は、かなり興味がありました。WHT参加者も言っていましたが、お互いの意見の違いが楽しめて融合できる議論ができたら人と出会うのも楽しいし、いろいろなアイデアも浮かびそうだしと明るい未来がイメージできました。 明日のまとめ、楽しみです。(トメさん)

今までは違いがあると融合できない、わかりあえないと思いがちだったけれど、ドゥルーズの哲学では違いを明確にすることによって融合できるというのはイメージ破壊でした!似ているところを探して大雑把に融合しようとするのは脳で見た時の荒技。 心でみたら全体像と関係性がわかるから、違いを繋げてハーモニーにすることができるのですね。違いを恐れず、楽しんでいきたいです!(kankanさん)

話が聞けないことと、ドゥルーズがいう究極の微分状態にいけばすべてを疎通させられるという話に一連の流れを通して興味が深まりました。ドゥルーズの違いの哲学を次元上昇させられたら人類は本当にゲームチェンジ!!ですね。日本が心の国にならなければ人類に未来はない!という言葉も刺さりました。(morphieさん)     

誤解から理解が始まる。 ノさんのこの言葉は、関係性にとってすごく大切だと思いました。 全てが心。心の思い込みの強度。強さがみんな違う。 脳は違いを通して同一性をつくる。 相対比較なんてしてる場合じゃないなぁと思いました。自分の人生をアートで愛する命の砂時計の時間を使いたいとおもいました。(りょうちゃんさん)


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ありがとうございました。

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