「特異点」ディスカバリー部門 エントリー【第18回6月18日分】


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「特異点」ディスカバリー部門
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「学校がこんな授業が行われ、こんなテレビ番組があったなら、どれだけ楽しい人生になっただろうか」

今回の令和哲学カフェ(第18回6月18日)に参加して、私はそんな風に思いました。

現在の令和哲学カフェのテーマは『尊厳』で、今回はその3回目に当たりました。

私はこれまでの人生であまり『尊厳』という単語に触れてきませんでしたが、第1回・第2回の令和哲学カフェでは「尊厳死」や「お金」などを題材に、答えを教えられただ暗記するのではなく、Noh先生が出す質問を通して視聴者が自ら「尊厳ってなんだろう」「尊厳って必要なんだろうか」と言った形で自分とつながって『尊厳』というものを深められるような構成になっていました。

おかげで私は第3回に参加するまでに少しづつ『尊厳』に対してイメージを深めて参加できるようになっていました。

そして「今日はどんな質問を通して、尊厳に対する理解を深めていくんだろうか」とワクワクしていたところ、これまで私が想像していた『尊厳』に対するイメージを破壊するような質問が投げられました。私はその質問によって、これまで自分が想像していた『尊厳』に対する考え方を改めなければならなくなりました。

その質問とはこのようなものでした。
「そもそも『尊厳』とは、実在している(実態がある)ものなのでしょうか?」
「それとも倫理道徳的な概念としてのものなのでしょうか?」

正直わたしは、この質問をされるまで、無意識のうちに「尊厳は概念的なものでしかない」と勝手に思い込み、自分の中での『尊厳』を構築していました。それは『尊厳』だけではなく、自由や平等、博愛…など、それらはすべて人間が道徳的に目指すべき概念である、と。

しかし私はこの質問によって
「本当に『尊厳』とは概念的なものでしかないのだろうか?」
「もし概念的なものでしかないのであれば、本当に人間は尊厳を持って生きることが可能なのであろうか?」
「しかし、もし実在しているとしたら、それはどのように実在しているのだろうか?」

と、これまで抱いていた『尊厳』に対するイメージが根底から崩されてしまいました。そして実際にコミュニケーションワークに参加している人たちも、「尊厳は実在している派:2人」と「尊厳は実在していない派:3人」で分かれていました。

そして私は「Noh先生はこれをどうまとめるんだろうか」とドキドキしていると、このように話されました。

「とてもおもしろいですね。実はこれは哲学で言うと、形而上学とポストモダニズムの違いでもあるんです」
「そもそも実在とは何なのでしょうか?」
「①模様形があるのが実在なのか?」
「②模様形がないけど何かがあるのが実在なのか?」
「③この二つをイコールにさせる何かが実在なのか?」
「どうでしょうか?」

これを聞いて私は「どういうことだーーー!?」と、Noh先生の発言に一気に没入が起こりました。そしてNoh先生はこのように続けました。

「では、次の令和哲学カフェまで3日間ありますので、この質問を考える材料として皆さんに考えてきてもらって、今日は終わりにしたいと思います。」

「えーーーー!?」と私は180度ひっくり返ってしまいました。まるで連ドラのクライマックスシーンの途中で「次回へ」となるかのような、完璧なタイミングでの次回への切り替えが逆に美しすぎて笑ってしまいました。でも確かに、これらの質問に対してすぐに答えをもらってしまったら、中途半端な状態のままの受け取りで、その答えが自分とつながって腑に落ちてなかったかもしれません。

そういう意味ではこの3日間をもらえたことはとてもありがたく、そして3日間考えるだけに値する究極的な質問をもらえたように思います。そしてこれだけ「質問」に興味をもたせて、自ら「考えたい」と思えるようになってるのは、Noh先生のリード力のおかげだと思います。なぜならただ単に上記の質問をされても興味も関心も湧いていないと思うからです。

今の学校の授業では答えを教えるばかりで、質問を学ぶ授業は皆無に近いと思います。そして殆どのテレビ番組もただ流れている情報を受け取るだけに終わってしまっていると思います。

しかし私は本当の人間の真価は「質問」にあると思っていますし、令和哲学カフェに参加するたびにそれは確信に近づいていっています。

「どんな質問を持つのかによって、どんな人生になるのか変わる。」
「質問の質こそが、人生の質となる。」

これからAIの進化発展がどんどん進み、人間の生き方・働き方が問われている中で、この令和哲学カフェのような人間の可能性を開花させられるような質問で、日常・情報・教育があふれることが何より重要なことだと感じました。そしていまは、月曜日が楽しみで仕方ありません。

 

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特異点ディスカバリー部門

Auther : Ryota Tomizawa

冨沢 亮太さん

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